住宅と店舗。

住宅は住む人にとって日常の道具みたいなもの、生活の延長線上で、永く愛着をもって使えるものでなければならないと考える。
住宅を依頼される場合、そういうことは最低限踏まえた上での様々なアイデアや心地よさ、感動や驚きを僕たちへ期待して下さっている。

そして、住み手は様々な価値観や暮らの美学を真剣に考えている。
だから、決して建築として実験的であることやコンセプチャルなことだけでは済まされない訳で、
いろいろな種類のデザインしていると住宅においては特にそう思うことが多い。

永い時間一緒に過ごすから。。

「住む」というリアリティが全く感じられない様な建築がなんとなく多い気がする。
だからなおさら住宅においては、生活観を無視したかのような、
奇抜なアイデアばかりが先行する気薄な住宅をつくることはしたくない。

その点、商店建築はその反対でも無いし、そうでない時もある。
疑似的であり、表層的な空間を具現化する事が商業の仕事の一部ではあるけど、
体感する事で記憶に残る様な仕組みを作るのは共通の作業でもある。

生活する為に空間をつくるのか、モノを買っていただく為の空間をつくるのか。
その違いだけ楽しさもあるのです。

ko-ki-.JPG

2012年08月24日 : Text by tsumac   |